厳選、群馬県の人気の税理士
不況期に国債を発行して積極的に財政出動を行っても、すぐに景気が自律的に回復するわけではない。
たとえそうであっても、遊休設備や余剰労働力を有効利用するために、財政出動を行うべきである。
ところが、国債の累積が心配のあまり、財政出動をしても効果がないといって財政支出を抑えれば、失業が増大して不況が深刻化し、税収が減少して、政府は財政構造改革どころではなくなる。
実際、財政構造改革法は数ヶ月後には修正に追い込まれ、財政構造改革のテンポを引き下げるとともに、補正予算はこの法律には縛られないといって、財政支出を増やす羽目になった。
このように、不況期に公共投資を減らすこと自体が問題であるが、その減らし方がさらに問題である。
同じ減らすにしても、中身の吟味をしっかり行って、いいものは残し、悪いものを減らせばまだましだが、そうはせずに一律削減を行っている。
各省庁に対して、皆同じように我慢するのだからおまえも我慢しろといえば、政治的な摩擦が少なくなって、意見が通りやすいからである。
一言でいえば、資源の効率的活用にはほとんど注意を払わずに、国債が増えているということだけに注目して、国債発行による将来の増税で恨まれるのもいやだし、特定の支出項目だけを重点的に増やし、他を急激に減らすことによって、減らされた省庁やその関係者から恨まれるのもいやだから、みんな同時に減らそうというわけである。
これでは摩擦最小化、恨み最小化であって、国民全体をマクロ的に見据えた積極的な政策的配慮は、まったくないように見える。
一方、非難する野党も、恒久減税だけを金科玉条のごとく述べたてている。
すでに示したように、恒久減税の意味をよく考えれば、その財源が別の増税であれ公共投資の削減であれ、民間に流れる資金量を増やすことにはならず、そのため景気を引き上げることにはならないのである。
さらに、しばらくして景気が回復し、税収が増えて財政収支が好転すれば、財政支出を抑える必要もなくなってしまう。
そのため、80年代末のバブル期のように、公共投資を増やして、本当の無駄遣いをすることにもなろう。
当時、政府は労せずして生まれた巨額の税収に目がくらみ、使い道に困って各市町村に1億円をばらまき、消費税導入に対する国民の反対をかわすために、景気過熱も考えずに実質減税を行ったのである。
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